「まるごとヨーガ哲学講座シリーズ」

お釈迦様はウパニシャッド時代に生まれ活躍されました。
お釈迦様はウパニシャッドの教えに
もとづいて出家し、苦行し、瞑想をして
ブッダ(目覚めた人)になられました。
そんな仏陀の教えは仏教となり、
その仏教はその後のヨーガ哲学にも
多大な影響を及ぼしています。

なのでヨーガ哲学は、
ある程度仏教のことも知らなくては
理解できないものなのです。
仏陀は苦しみの原因を考察し、
その苦しみの原因を取り除く方法を
説きました。

初期の仏教では仏陀の教えを
忠実に守ること(修行)により、
あらゆる苦しみが無くなる
悟りの境地に至ることを
目的としていましたが、
後に自己の悟りのみを目指すこと
以上に、仏陀のように世の中の人々を
救済することこそが悟りである
とする大乗仏教が誕生します。

さらには、その、自己の悟りのための
修行よりも、
他者への救済(利他行)こそが
真実の悟りである根拠として
「空」という概念が
体系化されていきます。

この世の本質は「空」であるからこそ、
自分自身にとらわれることなく
世の人の利益のために行う
利他行(菩薩行)こそが
真の悟りであると。
そんな大乗仏教の影響を受け、
密教が出現します。

密教の特徴は、
決して抑制することのできない
欲望を素直に受け入れ、
その欲望の計り知れないパワーを
悟りの力に変えること。
それは即身成仏になるための秘技。
そんな密教の思想やテクニックは
その後のハタ・ヨーガに
強く影響を及ぼしています。